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分析・診断診断・監査ガイド中級

SEO監査ツール比較ガイド — Screaming Frog、Ahrefs、Semrushの使い分けとAEO診断

Screaming Frog、Ahrefs、Semrushの役割と使い分け、各ツールで何を分析できるかを解説します。AEO特化の軽量診断としてSightedの位置づけも紹介します。

Screaming FrogAhrefsSemrushSEO監査サイトクロール

この記事でできるようになること

Screaming Frog、Ahrefs、Semrushの使い分けを理解し、AEO特化診断を含む監査ワークフローを実行できるようになります。

前提知識の確認

テクニカルSEOの8カテゴリを理解していない場合は、先にテクニカルSEOチェックリストを読んでください。

本文

概念説明

SEO監査ツールとは、ウェブサイトのテクニカルSEO状態を自動的にクロール・分析し、問題点と改善機会を特定するソフトウェアです。クローラビリティ(検索エンジンがサイトを巡回できるか)、インデクサビリティ(ページがインデックスされるか)、オンページ要素(タイトル、メタ、見出し等)、内部リンク構造、重複コンテンツ、パフォーマンスなど多岐にわたる項目を検査します。SEO監査ツールは、手作業では把握困難な大規模サイトの問題を効率的に発見し、改善の優先順位付けを支援します。ただし、従来のツールはGoogle検索向けに設計されており、AI検索(AEO)特有の要素は十分にカバーしていない点に注意が必要です。

主要ツールの詳細比較

Screaming Frog SEO Spider

Screaming Frogは、Windows/Mac/Linuxで動作するデスクトップ型のSEOクローラーです。サイトをクロールし、URL単位でテクニカルSEOの詳細データを収集します。テクニカルSEO担当者にとって業界標準のツールで、大規模サイト(数十万URL)のクロールにも対応しています。無料版は500URLまで、有料版(年間$279)は無制限です。

主な機能

機能詳細
HTTPステータスコード200、301、302、404、500等のステータスをURL別に一覧表示
リダイレクトチェーンリダイレクトの連鎖を検出。3回以上のチェーンを警告
メタタグ分析title、meta description、robots、canonical の長さ・重複・欠損を検出
見出し構造H1〜H6の使用状況、複数H1、見出し欠損を検出
内部リンクリンク切れ、孤立ページ、リンクの深さを分析
構造化データJSON-LD、Microdata、RDFaの検出と検証
JavaScript実行Chrome/Edgeレンダリングモードでクライアントサイドレンダリングに対応
robots.txt/sitemaprobots.txtの解析、XML sitemapとの照合

使いどころ

  • テクニカルSEOの深掘り調査が必要な場合
  • 大規模サイトの全URL棚卸し
  • リダイレクト整理、内部リンク最適化
  • 構造化データの実装状況確認

Ahrefs Site Audit

AhrefsはSEOの総合プラットフォームで、Site Audit機能でクラウドベースのテクニカルSEO監査を提供します。被リンク分析、キーワードリサーチ、競合分析と統合されており、SEO施策全体を一元管理できます。価格は月額99ドルから(Liteプラン)、Site Auditは有料プランに含まれます。

主な機能

機能詳細
ヘルススコアサイト全体のSEO健全性を0-100でスコア化
問題の分類エラー/警告/通知の3段階で問題を優先度付け
被リンク連携被リンク切れ、リンク元のDA/DRと統合分析
定期クロール週次/月次で自動クロールし、問題の推移を追跡
JavaScript対応JSレンダリングモードで動的サイトに対応

使いどころ

  • SEO施策全体(被リンク、キーワード、テクニカル)を一元管理
  • 定期的な監査レポートを自動化したい場合
  • 被リンクプロファイルとテクニカル問題を統合分析

Semrush Site Audit

SemrushはマーケティングSaaSで、Site Audit機能でテクニカルSEO監査を提供します。競合分析、広告分析、ソーシャルメディア分析と統合されており、マーケティングチームが横断的に活用しやすい設計です。価格は月額129.95ドルから(Proプラン)、Site Auditは有料プランに含まれます。

主な機能

機能詳細
サイトヘルス問題数に基づくスコアとトレンドグラフ
Thematic Reportsクローラビリティ、HTTPSなどテーマ別レポート
比較機能競合サイトとのSite Auditスコア比較
修正追跡問題の修正状況を追跡し、改善率を表示
連携GA4、Search Consoleとのデータ連携

使いどころ

  • マーケティングチームがSEOを横断的に扱う場合
  • 競合との相対的なテクニカル状態を比較
  • レポートの自動化とステークホルダーへの共有

ツール選定のフローチャート

ニーズ推奨ツール理由
テクニカルSEOの深掘り、大規模クロールScreaming FrogURL単位の詳細データ、柔軟なフィルタ・エクスポート
被リンクとテクニカルを統合分析Ahrefs被リンクDBとSite Auditの連携
マーケティング横断・競合比較Semrush競合分析、広告、ソーシャルとの統合
AEO特化の軽量診断SightedAIボット、llms.txt、SSR、ネスト型スキーマ等AEO固有項目

従来ツールでカバーされないAEO項目

Screaming Frog、Ahrefs、Semrushは主にGoogle検索向けに設計されており、AI検索最適化(AEO)特有の項目は十分にカバーしていません。以下は従来ツールでは確認困難な項目です。

  • AIクローラーのrobots.txt設定:GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBot等のUser-Agentがブロックされていないか
  • llms.txt:AI向けのサイト構造・重要ページの宣言ファイル
  • SSR検出(初期HTMLの内容):JavaScriptを実行しないAIクローラーがコンテンツを取得できるか
  • ネスト型スキーマ:Organization → WebSite → WebPage → Article のエンティティ関係
  • AI引用に適したコンテンツ構造:定義配置、回答ブロック長、質問形式見出し

Sighted — AEO特化の軽量診断

Sightedの無料診断ツールは、ドメイン入力のみで18項目のAEO/SEOテクニカルチェックを実行します。従来ツールでは確認困難なAIクローラー関連項目を優先的にスコア化し、Critical/High/Medium/Lowの優先度で改善ポイントを提示します。Screaming FrogやAhrefsで全体を把握した上で、SightedでAEO特化の診断を補完するワークフローが推奨です。

Sightedがカバーする項目

カテゴリ項目例
AIクローラー管理GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBotのrobots.txt設定
AI向け宣言llms.txt の有無と内容
レンダリングSSR検出、初期HTMLのコンテンツ有無
構造化データネスト型スキーマ、Publisher/Author紐付け
パフォーマンスTTFB(AI引用に影響)

判断基準

ツール選定のフローチャートに従い、ニーズに応じたツールを選択します。

実行手順

監査ワークフローの例:

  1. 全体把握:Screaming Frog または Ahrefs/Semrush で全URLをクロール
  2. 優先度付け:HTTPエラー、重複、インデックス問題を優先度順に整理
  3. AEO診断:Sighted でAIクローラー関連の問題を確認
  4. 改善実行:Critical → High → Medium の順に修正
  5. 検証:再クロールで修正を確認。Search Console で経過観察

よくある間違いと対処法

  • 1ツールだけで十分: 従来ツールはAEO項目をカバーしない。SightedでAIクローラー関連を補完。
  • 監査結果を放置する: Critical→High→Mediumの順に修正。検証まで完了する。
  • 大規模サイトを無制限にクロールする: クロールバジェットを考慮。重要ページを優先。
  • JSサイトをデフォルト設定でクロールする: Screaming Frog等はJSレンダリングモードが必要。

実行チェックリスト

  1. ニーズに応じてScreaming Frog、Ahrefs、Semrushを選定する
  2. 全URLをクロールし優先度付けする
  3. SightedでAEO特化診断を実行する
  4. Critical→High→Mediumの順に修正し再クロールで検証する

次にやること

AEOドメイン分析ツールで診断を実行し、AIでSEO分析でコンテンツ改善を進めてください。

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