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分析・診断AEOモニタリングガイド中級

PageSpeed Insights・CWV計測ガイド — 指標の読み方とツールの使い分け

PageSpeed Insights、Chrome User Experience Report、Search Console CWVレポートの概要、フィールドデータとラボデータの違い、TTFBとAIクローラーの関係を解説します。

PageSpeed InsightsCore Web VitalsCrUXTTFBLCPINP

この記事でできるようになること

PageSpeed Insights、CrUX、Search Console CWVレポートの使い分けを理解し、フィールドデータとラボデータの違いに基づいて計測・改善できるようになります。

前提知識の確認

CWVの閾値と改善方法を理解していない場合は、先にCore Web Vitalsガイドを読んでください。

本文

概念説明

Core Web Vitals(CWV)とは、Googleが定義するウェブページのユーザー体験を測定する3つの主要指標です。LCPで読み込み速度、INPでインタラクティブ性、CLSで視覚的安定性を測定します。AI検索においても、TTFBはAIクローラーのクロール完了に影響するため、CWV計測はSEOとAEO両面で重要です。

判断基準

現行のCWV閾値(2026年2月時点)で判断します。

指標良好要改善不良測定対象
LCP2.5秒以下2.5〜4.0秒4.0秒超ビューポート内の最大コンテンツ要素の表示時間
INP200ms以下200〜500ms500ms超ユーザー操作から画面更新までの遅延
CLS0.1以下0.1〜0.250.25超レイアウトシフトの累積スコア

実行手順

フィールドデータ(ランキングに使用)とラボデータ(デバッグ用)を区別し、適切なツールで計測・改善を実行します。

フィールドデータとラボデータの違い

CWVの計測には、フィールドデータ(Field Data)とラボデータ(Lab Data)の2種類があります。Googleがランキング評価に使用するのはフィールドデータのみです。ラボデータはデバッグや問題特定に有用ですが、実際のランキングには直接影響しません。この違いを理解することが、CWV改善の第一歩です。

フィールドデータ — ランキングに使用される計測

フィールドデータは、実際のChromeユーザーから匿名で収集されたCWVデータです。Chrome User Experience Report(CrUX)としてGoogleが集計し、75パーセンタイル値で評価されます。つまり、サイト訪問者の75%がその閾値以下であれば「良好」と判定されます。フィールドデータが利用可能になるには、十分なトラフィック(一般に月間数千PV以上)が必要です。

  • CrUX(Chrome User Experience Report):BigQueryで生データにアクセス可能。URL単位・オリジン単位で集計
  • PageSpeed Insights:CrUXデータをURL/オリジン別に表示。モバイル/デスクトップ別に確認可能
  • Search Console CWVレポート:サイト全体の良好/要改善/不良ページ数を表示。問題ページのグループ化
  • CrUX History API:時系列でのCWV推移を取得。施策前後の比較に有用

ラボデータ — デバッグと問題特定に有用

ラボデータは、制御された環境でシミュレーション実行した計測結果です。再現可能で、問題の特定やデバッグに最適ですが、実ユーザーの多様なデバイス・回線状況を反映しないため、ランキング評価には使用されません。

  • Lighthouse:Chrome DevToolsまたはPageSpeed Insights内で実行。パフォーマンススコア(0-100)を算出
  • WebPageTest:地理、デバイス、回線速度を指定して計測。フィルムストリップで読み込み過程を視覚化
  • Chrome DevTools Performance:ローカル開発環境でのリアルタイム計測。ボトルネック特定に最適

PageSpeed Insightsの使い方

PageSpeed Insights(PSI)は、https://pagespeed.web.dev/でURLを入力するだけで、CrUXフィールドデータとLighthouseラボデータの両方を表示する無料ツールです。2025年10月のLighthouse 13.0アップデートで、パフォーマンスカテゴリのスコアリングが更新されています。

PSIレポートの見方

セクションデータソース確認すべきポイント
Core Web Vitals AssessmentCrUX(フィールド)「合格/不合格」の判定。これがランキングに影響
Diagnose performance issuesLighthouse(ラボ)具体的な改善提案。リソースのサイズ、遅延要因
Origin SummaryCrUX(フィールド)ドメイン全体のCWV状況。個別URLにデータがない場合に参照

「このURLのフィールドデータは十分ではありません」と表示される場合、そのURLにはCrUXデータが蓄積されていません。Origin Summary(ドメイン全体)のデータを参照するか、ラボデータで問題を特定し、フィールドデータが蓄積されるまで経過観察します。

LCPのサブパート分析

2025年2月にCrUXに追加されたLCPサブパートにより、LCPのボトルネックを4つの要素に分解して特定できるようになりました。従来は「LCPが遅い」という情報しか得られませんでしたが、サブパートによって改善施策を具体化できます。

LCPの4つのサブパート

サブパート定義目標値改善施策
TTFBリクエストから最初のバイト受信まで800ms以下サーバー応答、CDN、キャッシュ最適化
Resource Load DelayTTFBからLCP要素のリクエスト開始まで最小化プリロード、クリティカルパス最適化
Resource Load TimeLCP要素のダウンロード時間最小化画像圧縮、適切なフォーマット(WebP/AVIF)
Element Render Delayリソース読み込み完了から描画完了まで最小化レンダリングブロック解消、CSS最適化

TTFBとAIクローラーの関係

TTFB(Time to First Byte)は、AIクローラーにとって特に重要な指標です。GooglebotはTTFBが長くてもリトライや待機を行いますが、AIクローラー(GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBot等)はタイムアウト閾値が厳しく、TTFBが遅いとクロールを打ち切る可能性があります。Sightedのナレッジベース(2026年)によると、AIクローラーは一般にTTFB 200ms以下を推奨し、500msを超えるとクロール完了率が低下する傾向があります。

TTFB改善のチェックリスト

  • サーバー応答時間:アプリケーション処理、データベースクエリの最適化
  • CDN利用:エッジでの静的コンテンツ配信、動的コンテンツのキャッシュ
  • HTTP/2またはHTTP/3:接続の多重化、ヘッダー圧縮
  • サーバーリソース:CPU、メモリ、帯域幅の適切なプロビジョニング
  • リージョン選択:ターゲットユーザーに近いサーバーロケーション

Search Console CWVレポートの活用

Google Search ConsoleのCWVレポートは、サイト全体のCWV状況を把握するダッシュボードです。個別URLではなく、類似の問題を持つURLグループとして表示されるため、大規模サイトの改善優先度付けに有用です。「良好なURL」「改善が必要なURL」「不良なURL」の3区分で、モバイルとデスクトップ別に表示されます。問題が修正されたら「修正を検証」ボタンで再評価をリクエストできます。

Sightedとの連携ワークフロー

PageSpeed InsightsやSearch ConsoleはGoogle検索向けのCWV計測に特化しており、AI検索向けのテクニカル要素はカバーしていません。Sightedの無料診断ツールでAEO項目を補完します。推奨ワークフローは以下の通りです。

  1. PageSpeed InsightsでCWVの現状を確認(フィールドデータ優先)
  2. LCPサブパートでボトルネックを特定し、TTFB改善を優先
  3. SightedでAEOテクニカル診断を実行し、AIクローラー関連の問題を把握
  4. CWV改善とAEOテクニカル改善を並行して実施
  5. Search Console CWVレポートで経過を確認(フィールドデータの反映には2-4週間)

TTFBが500msを超えている場合は、CWV改善とAIクローラーのクロール品質の両面から優先度Highで対応することを推奨します。

よくある間違いと対処法

  • ラボデータだけで判断する: ランキングに使われるのはフィールドデータ。PageSpeed InsightsのCrUXセクションを優先確認。
  • フィールドデータがないURLを無視する: Origin Summaryを参照するか、ラボで問題特定して経過観察。
  • TTFBを軽視する: AIクローラーはTTFB 500ms超でクロール打ち切りの可能性。CWVと並行して改善。
  • LCPサブパートを活用しない: 2025年2月追加。TTFB、Resource Load Delay等でボトルネックを特定できる。

実行チェックリスト

  1. PageSpeed InsightsでCWVの現状を確認する(フィールドデータ優先)
  2. LCPサブパートでボトルネックを特定しTTFB改善を優先する
  3. SightedでAEOテクニカル診断を実行する
  4. Search Console CWVレポートで経過を確認する

次にやること

AEOドメイン分析ツールでテクニカル診断を補完し、テクニカルSEOチェックリストで全体監査を進めてください。

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