SaaSのSEO/AEO改善ガイド — 分析結果に基づく業界特化のアクション
SaaS企業が診断結果を踏まえて実施すべき改善アクションを解説します。SoftwareApplicationスキーマ、ドキュメント・比較ページの最適化、AI引用に適したコンテンツ構造を業界別に整理します。
この記事でできるようになること
SaaS企業が診断結果を踏まえて実施すべき改善アクションを優先度順に実行できるようになります。
前提知識の確認
GEO最適化と構造化データを理解していない場合は、先にGEO最適化ガイドと構造化データガイドを読んでください。
本文
概念説明
SaaS(Software as a Service)企業のSEO/AEO改善では、製品ドキュメント、機能ページ、インテグレーションページ、比較ページがAI引用を獲得しやすい重要コンテンツです。SaaS業界では「〇〇ツール おすすめ」「〇〇 比較」「〇〇 代替」といったクエリでAIが回答を生成する機会が多く、これらのクエリでCitationを獲得できるかがAEO成功の鍵です。本ガイドでは、Sightedの診断結果をベースに、SaaS企業が実施すべき改善アクションを優先度順に解説します。
改善の優先順位フレームワーク
SaaS企業のAEO/SEO改善は、以下の優先順位で実施します。テクニカル基盤に問題がある状態でコンテンツ施策を行っても効果が出ないため、診断結果のCritical/High項目から対応します。
| 優先度 | カテゴリ | 項目例 | 影響 |
|---|---|---|---|
| Critical | テクニカル基盤 | SSR未対応、AIボットブロック | AI可視性ゼロ |
| High | 構造化データ | スキーマ未実装、ネスト構造不備 | エンティティ認識低下 |
| Medium | コンテンツ構造 | 比較ページ、ドキュメント改善 | 引用率向上 |
| Low | 最適化 | llms.txt、マイナー調整 | 追加効果 |
テクニカル基盤の改善
SSR(サーバーサイドレンダリング)の実装
SaaSサイトの多くはReact、Vue、Next.js等のフレームワークで構築されていますが、クライアントサイドレンダリング(CSR)のみの場合、AIクローラーがコンテンツを取得できない可能性があります。AIクローラーはJSレンダリングに依存しない形でクロールするため、初期HTMLにコンテンツが含まれている必要があります。
- Next.js:getServerSideProps または App Router の Server Components を使用
- Nuxt.js:ssr: true(デフォルト)を確認
- 既存SPAの場合:Prerendering サービス(Prerender.io等)の導入を検討
Sightedの診断で「SSR未検出」がCriticalとして指摘された場合、この項目を最優先で対応します。SSRが適用されているかは、curlコマンドで初期HTMLを取得し、主要コンテンツが含まれているか確認できます。
AIクローラーの許可設定
robots.txtでAIクローラーをブロックしていないか確認します。以下のUser-Agentが許可されている必要があります。
| User-Agent | プラットフォーム |
|---|---|
| GPTBot | ChatGPT、OpenAI |
| ClaudeBot | Claude、Anthropic |
| PerplexityBot | Perplexity |
| Google-Extended | Google AI(オプション) |
robots.txtにUser-agent: GPTBot Disallow: /などの記述がある場合、該当行を削除します。CDNやセキュリティサービスがAIクローラーをブロックしていないかも確認してください。
構造化データの改善
SoftwareApplicationスキーマ
SaaSの製品ページにはSoftwareApplicationスキーマを実装します。これにより、AIがソフトウェア製品としてエンティティを認識し、「〇〇ツール」クエリへの回答で引用されやすくなります。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "SoftwareApplication",
"name": "製品名",
"applicationCategory": "BusinessApplication",
"operatingSystem": "Web",
"offers": {
"@type": "Offer",
"price": "0",
"priceCurrency": "JPY",
"priceValidUntil": "2026-12-31"
},
"aggregateRating": {
"@type": "AggregateRating",
"ratingValue": "4.8",
"reviewCount": "150"
}
}
必須プロパティ:name、applicationCategory、offers(価格情報)。推奨プロパティ:aggregateRating、screenshot、featureList、softwareVersion。
ネスト型スキーマ構造
エンティティ間の関係を明確にするため、Organization → WebSite → WebPage → SoftwareApplication のネスト構造を実装します。これにより、AIが「どの会社が提供するどの製品か」を正確に理解できます。
- トップページ:Organization + WebSite
- 製品ページ:WebPage + SoftwareApplication(publisherでOrganizationを参照)
- ブログ/ドキュメント:WebPage + Article(authorでPerson、publisherでOrganizationを参照)
コンテンツ構造の改善
比較ページ(X vs Y)の最適化
SaaS業界では「〇〇 vs △△」「〇〇 比較」クエリが多く、比較ページはAI引用の重要ターゲットです。以下の構造を推奨します。
- H2見出し:「〇〇と△△の違いとは」など、質問形式で定義を含める
- 冒頭の回答ブロック:134-167語で「〇〇は...、△△は...という点で異なります」と自己完結型で記述
- 比較テーブル:機能、価格、対象ユーザーを構造化して表示
- 各製品の詳細セクション:それぞれ134-167語の回答ブロック
インテグレーションページの最適化
連携サービスごとに専用ページを作成し、「〇〇 + △△ 連携」クエリでの引用を狙います。
- セットアップ手順:番号付きリストで具体的なステップを記載
- ユースケース:「この連携で何ができるか」を3つ以上列挙
- スクリーンショット:alt属性で設定画面の内容を説明
- トラブルシューティング:よくある問題と解決策
ドキュメントの最適化
製品ドキュメントは「〇〇 使い方」「〇〇 設定方法」クエリで引用されやすいコンテンツです。
- 質問形式の見出し:「〇〇を設定するには?」「〇〇エラーの対処法は?」
- 定義の配置:各セクション冒頭60語以内に「〇〇とは...」の定義
- コードブロック:
<pre><code>タグで適切にマークアップ - Articleスキーマ:各ドキュメントページにArticle + author(Person)を実装
llms.txtの設置
llms.txtは、AIクローラーに対してサイトの構造と重要ページを宣言するファイルです。SaaSサイトでは以下のパスを優先的に含めます。
# llms.txt - [製品名]
# AI向けのサイト構造宣言
## 製品概要
/features - 機能一覧
/pricing - 料金プラン
/integrations - 連携サービス
## ドキュメント
/docs - ドキュメントトップ
/docs/getting-started - 始め方
/docs/api - API リファレンス
## 比較・リソース
/compare - 競合比較
/alternatives - 代替サービス
/blog - ブログ
改善実施後のモニタリング
改善施策を実施した後は、以下のツールで効果を検証します。
- Sighted:再診断でテクニカルスコアの改善を確認
- Otterly/Peec:AI可視性のMention/Citation数の推移
- Search Console:Google検索でのインプレッション・クリックの推移
- GA4:AI経由トラフィック(参照元別)のコンバージョン
テクニカル改善は即座に反映されますが、AI可視性の変化は2-4週間かかることがあります。継続的なモニタリングで効果を確認してください。
よくある間違いと対処法
- コンテンツ改善を先に進める: SSR未対応やAIボットブロックがあると無効。テクニカル基盤を先に解消。
- 比較ページを薄いコンテンツで量産する: 各製品に134-167語の回答ブロック、比較テーブルが必要。
- SoftwareApplicationスキーマを省略する: AIが製品として認識するために必須。
- llms.txtを無視する: AIクローラーに重要ページを宣言。ドキュメント、比較ページを含める。
実行チェックリスト
- SSRを実装しAIクローラーを許可する
- SoftwareApplicationスキーマとネスト構造を実装する
- 比較ページを質問形式見出し・回答ブロック・テーブルで最適化する
- llms.txtを設置し重要ページを宣言する
次にやること
AI可視性モニタリングツールで効果を計測し、Eコマース改善ガイドで他業種の施策も参照してください。
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